デンマーク・コペンハーゲンに本店を構えるnoma(ノーマ)。世界のベストレストラン50で5度の世界一に輝き、ミシュランの三つ星も獲得した伝説的な店が、2024年末で現在の形態での営業を終了すると発表しました。
そして、そのnomaで革新的な料理の開発を担うのが、日本人シェフ・高橋惇一さん。一冊の料理本との出会いから始まった彼の挑戦は、世界の美食の頂点へと続いていきます。
本記事では、高橋惇一さんの
- 高橋惇一さんの経歴
- 世界一のレストラン「noma」で働くことになったきっかけ
- その「noma」が閉店した理由と今後の展望
などについて、詳しくご紹介します!
プロフィール
高橋 惇一さんは、世界一と称されるレストラン「noma」の中心的な存在として、北欧料理の革新と発展に貢献し続けています。
日本人として唯一ヘッドR&Dシェフを務める高橋さん。研修生から始まり、実力と努力で現在の地位を築き上げています。
- 名前:高橋 惇一(たかはし じゅんいち)
- 生年月日:1983年
- 出身地:宮城県
- 経歴:
- 2002年:服部栄養専門学校を卒業
- 2011年:nomaで研修生としてスタート
- 2012年:筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)機構長に就任
- 2016年:nomaテストキッチンの副料理長(スーシェフ)に就任 その後、ヘッドR&Dシェフに昇進
- 2024年秋:京都でのnomaポップアップレストランでヘッドR&Dシェフを務める
【世界の頂点で輝く日本人シェフ ─ 高橋惇一】
nomaといえば、世界最高峰のレストランとして知られています。そのnomaで、メニュー開発のトップを務めているのが日本人シェフ、高橋惇一さんです。
1983年宮城県生まれの41歳。彼の歩みをご紹介します。
一冊の料理本が変えた人生 ─ 高橋惇一、nomaへの道のり
2011年、東京のフランス料理店で腕を磨いていた高橋惇一さん。運命を変えたのは、一冊のnoma(ノーマ)の料理本との出会いでした。
写真で見るだけでは想像すらできない斬新な料理の数々。「この味を自分の舌で確かめたい」。その衝動が、高橋さんをデンマークのコペンハーゲンへと導きました。
実際にnomaで口にした料理は、想像をはるかに超える衝撃的な体験でした。最初の一皿から心を奪われ、料理はもちろん、サービスのすべてに魅了された高橋さん。その場で決意します。「ここで働きたい」
しかし、世界一のレストランへの道のりは簡単ではありませんでした。当時、世界中から志願者が殺到していたnomaには、研修生の空きポジションすらありません。英語も話せない状況でしたが、高橋さんは半年間諦めることなく待ち続けました。
そして直談判の末、2011年、高橋さんは念願のnomaの研修生として採用されることになります。
料理本との出会いから、実際に足を運び、直接熱意を伝え続けた高橋さん。その情熱と行動力が、世界最高峰のレストランへの扉を開いたのです。
実力で掴んだ、頂点への道
研修生からスタートした高橋さんですが、その才能と努力は瞬く間に認められます。わずか5年で副料理長(スーシェフ)に抜擢され、現在はヘッドR&Dシェフとして、nomaの革新的な料理開発の指揮を執っています。
世界が認めた日本人シェフ
nomaの多国籍チームの中で、唯一の日本人ヘッドR&Dシェフとして活躍する高橋さん。2024年秋には、京都で開催されたnomaのポップアップレストランでもヘッドR&Dシェフを務め、その手腕を発揮しました。
メニュー開発から食材探しまで、nomaの創造性の中心を担う高橋さん。世界一と称されるレストランで、着実に実績を重ねながら、北欧料理の新たな地平を切り開き続けています。
nomaが閉店した理由は具体的に何だったのか
2025年からノーマ3.0として再始動する、デンマーク「ノーマ」の今
2024年末で現在の形でのレストラン営業を終了するという発表があった、デンマークのレストラン「ノーマ」。2025年からは、ノーマ3.0として新しい形を模索していくという。
nomaが閉店した理由は具体的に何だったのか
世界最高峰のレストランとして知られるnomaが、2024年末での現形態での営業終了を発表。その背景には、いくつかの理由がありました。
持続可能性への懸念
長時間労働や無給の研修制度など、これまでの運営モデルの持続可能性に疑問符が付き始めていました。
特にデンマークでの研修生への無給労働禁止により、人件費は大幅に増加。
オーナーシェフのレネ・レゼピ氏は「このモデルは持続不可能になった」と率直に語っています。
スタッフの働き方改革
現在のレストラン形態では、適切な賃金を維持しながらこれらの改善を実現することが困難でした。
- 週4日勤務の実現
- スタッフの発言力強化
- より安全で創造的な環境作り
革新を追求する決断
「nomaであり続けるために、私たちは変化しなければならない」
このレゼピ氏の言葉には、現状に甘んじることなく、常に進化を目指す決意が込められています。
新たな形態「noma 3.0」へ
2025年からは研究開発に重点を置いた「noma 3.0」として再出発。世界各地でのポップアップ展開や、食の研究拠点としての活動など、新しい挑戦が始まります。
nomaの決断は、高級レストラン業界の古い慣習に一石を投じ、より持続可能な未来への転換点となるかもしれません。
これらの理由により、nomaは2024年冬のシーズンを最後に現在の形での営業を終了し、2025年からは「noma 3.0」として、食の研究と革新に焦点を当てた新しい形態に移行することを決定しました。
伝説のレストラン「noma」が描く、美食の新しいカタチ
2024年末、nomaは大きな決断を発表しました。現在のスタイルでの営業は終了しますが、これは新しい挑戦はじまり。
2025年からは、食の研究開発に重点をおいた「noma 3.0」として、
- 世界各地でのポップアップレストラン開催
- コペンハーゲン本店を研究開発拠点に
- 季節限定で「noma 3.0」としての営業
- 食の研究開発をさらに強化
のような活動を行っていくようです!
今後の収益源はどうなる?
従来のレストラン経営から新たなビジネスモデルへと移行しています。
これまでプロの料理人だけのものだったnomaの知恵や技術を、一般の食愛好家にも広く届けることを目指しています。
具体的には:
- 「Taste Buds」という会員制コミュニティの運営
- 食に関する出版物の刊行
- 料理や食文化に関するイベントの開催
- nomaの20年間の経験から生まれた商品の開発・販売
を通じて、一般家庭でも楽しめる形で、革新的な食の世界を提供しています。
このように、ノーマは高級レストランとしての従来の形態から、より多くの人々が楽しめるブランドへと進化を遂げています。
実店舗での飲食提供だけでなく、製品開発や販売など、多角的なビジネス展開により、安定した経営基盤の構築を目指しています。
京都から始まる新しい物語
最初のポップアップ開催地に選ばれたのは京都。
エースホテル京都での10週間限定営業は、4320席があっという間に完売。
山菜、めかぶ出汁の海藻鍋、生湯葉など、日本の食材を使った斬新な料理の数々が話題を呼びました。
TBS「情熱大陸」に、高橋惇一さんが出演
2月23日(日) 23:00~ 放送のTBS「情熱大陸」に高橋惇一さんが出演します!
世界最高峰のレストラン「noma」。その中枢で、メニュー開発を担うのが日本人シェフ・高橋惇一さん。「テストキッチン」と呼ばれる開発チームで、誰も食べたことのない料理の創造に挑み続けています。
2023年、nomaは数年後の営業終了を発表。デンマークで12年、革新的な料理の開発に人生を捧げてきた高橋さんにとって、この決断は料理人としての将来を見つめ直す機会に。
最後となる2024年冬のメニュー開発、そして京都での10週間限定営業。高橋さんの集大成となる料理には、どんな思いが込められているのでしょうか。

まとめ
世界最高峰のレストラン「noma」が、2024年末で現在のスタイルでの営業を終了し、2025年からは、世界を舞台にしたポップアップレストランの展開や、本店を研究開発の拠点「noma 3.0」として生まれ変わらせる計画が進行中です。
その革新を支える重要人物が、日本人シェフの高橋惇一さん。11年前、一冊の料理本との出会いから始まった彼のnomaでの挑戦は、今も進化し続けています。
2025年から始まるnomaの新章。それは間違いなく、私たちの想像を超える驚きに満ちているはずです。高橋さんとnomaの革新的な歩みは、まだまだ続きます!
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